私たちの毎日にはいろんなことが起こりますよね。
いつもの通勤電車に間に合わなかった、会社で上司に怒られた、スマホのカメラが壊れた、友人に愚痴や不満を延々と2時間聞かされた。
毎日の生活の中には、今の自分にとって良いこともあれば、今の自分にとって悪いこともあります。
良いもたくさんあったはずなのに、それはすっかり忘れて、ほんの少しの悪いことだけは、なぜかめちゃめちゃ覚えている。
人間は種を守るための本能的な脳の仕組みによって、失敗や危険など「悪い出来事」が起こったことの方により注意を向けがちです。
動物にとっては、狩りに失敗することや他の動物に襲われる危険は、生命の危機に直結することであり、絶対に忘れてはいけない情報です。本能的に失敗に注意を向けて忘れないようにしているのです。
文明が発達して、草原を離れ街で生活するようになった今でも、動物である人間にこの本能は残っていて、成功よりも失敗に注意が向けられてしまうのです。
我が家には1匹、7歳になる女の子のネコがいます。
この子も失敗を極端に恐れ、過去に1回失敗したことは近寄りません。
飛び上がったら狭くて落ちてしまった窓際。触ったら熱くて飛び上がったストーブ。過去に失敗した体験のあるものは、遠巻きに見ていて絶対に近寄りません。
これは実は私にもあなたにも当てはまります。
人間も今でこそ文明的で便利で安全な生活をしていますが、そもそも動物です。
どんなに文明が発達して生活が便利で豊かになって安全な生活を送っていても、動物としての本能は脳の中に一部に残っています。
動物は、狩りに失敗する敵から逃げることに失敗するなど失敗が命の危険に直結しますので、失敗を覚えておいてこれを絶対に繰り返さない。
人間もこの本能が残っているので、無意識に失敗のデータを集めてしまうのです。自分が生き残って行くために、無意識のうちに失敗のデータを収集して次はこれを繰り返さないようにするのです。
毎日の中でほんのわずかしかしていない失敗のデータには注意を向けて、概ねうまくいっている自分は無視して自分を責める。
私も前は失敗にばかり注目して、自分を責め続けていました。
「いつもよりも3分遅く会社に着いたからダメ。」
「上司が思ったとおりの報告書を作れなかったからダメ。」
「失敗してはいけない。安定のために現状を維持しないと。」
「周り道は無ムダ。いつも最短、最速で結果を出さなければならない。」
「あの人よりも優れている自分でいなきゃだめ。」
毎日が、やらなきゃ、しなきゃ、ダメダメダメ・・・で埋め尽くされていました。
出来ない自分を責めまくって、完璧でない自分にダメを出しまくって、他者と自分を比較し、自分を批判しまくってきました。
たまには、自分を責めること、反省することも確かに必要です。人間には向上心が必要ですから「次は上手にやろう!!」と決意することによって、出来なかったことができるようになります。出来ることが増えると、人生の幅が広がりますし、達成感を味わったり結果的に喜びが増えたりします。
たぶん、今までのあなたも向上心が強かったと思います。
子供の頃から人一倍努力をして、頑張って、出来なかった自分を責めて、さらにまた頑張る。出来なかったことが、出来るようになって、さらに出来ないところ、不得意なことを探して自分を責めて、またさらに努力して、頑張って、もっと出来るようになる。
失敗した自分、出来ない自分、人よりも劣っている自分を責めて、反省して、頑張ってきたからあなたの人生は、とても豊かになったし、頑張った自分に満足もしてきたと思います。
ですが、失敗すること、自分には出来ないこと、自分が人よりも劣っていることは、これから先いくらでもあなたの人生に現れてきます。生きている限り、失敗も、出来不出来も、他人との優劣も絶対につきまといます。
全てを完全にクリアにしようとすれば、無理が出てきていつかは疲れ果ててしまいますし、そもそも全部を完全にクリアすることはできません。
失敗する自分も、出来ない自分もあなたの一部です。上手く出来た自分だけと仲良く付き合って未来に持って行くことはできません。失敗する自分も、出来ない自分も、上手くいった自分も全部合わせてあなたです。
失敗は悪いことではありません。それをあなたが「悪い」と思っているだけです。
成功は良いことではありません。それをあなたが「良い」と思っているだけです。
時間が経てば「失敗」が「成功」に見えることもあります。「成功」が「失敗」に見えることもあります。人生は時間の経過により変化していきます。変わらないものは何一つありません。
失敗も成功もあなたの全部を受け入れて、認めて、一緒に歩いて行きましょう。
今日も最後まで読んでいただきましてありがとうございました。
いつもあなたを応援しています。